えび茶ゾーン

2014年6月23日

第919回


 2013年の年間訪日外客数が1,000万人を超えたものの、日常生活で英語を必要とする日本人はそれほど多くない。法務省によると、207万人という在留外国人数は国民の1.6%。普段の生活だけみれば、多くの人々にとって英語を利用する機会はやはり少ない。

 一方、政治経済のシステムでは、英語を利用する機会が飛躍的に増えた。大学は、そんな日常生活とシステムを結び付ける場となることが期待されている。英語を使わない日常生活と英語を使うシステムのはざまに置かれた当事者の学生は、躍起になって学習するが、実際には英語を学ぶうちは習得するのは難しく、英語「で」学ぶ環境に置かれてこそ力は付く。早稲田大学の留学生受け入れ数が5年連続で首位となり、学生に交流や留学の機会を多く提供していることも、また高等学院が多文化共生空間の創造をテーマにスーパーグローバルハイスクールと認定されたことも、時代の要請に応えた動きであろう。

 これらの中等高等教育の場の挑戦は、どのように日常生活の場に影響を与えていくだろうか。教育の場が変化すれば、教育の場を取り巻く地域や沿線の街々も確実に変化する。その変化にどのような姿を期待していけるのか。ポジティブなイメージを持ち、提示していくことも、教える者学ぶ者双方の責務であろう。外国人労働者の受け入れも議論されつつある。諸外国の先進的な取り組みが、必ずしも順調に進められてきたわけではない。変化する教育の場に身を置きながら、地域の変化にどう寄与できるか。試されている。 (G)