えび茶ゾーン

2014年7月21日

第923回

 少し前に統計学がブームになった。正直なところ、学問がブームになることに多少の違和感があったが、専門家の端くれとして大変うれしく思った。昨年開催されたあるシンポジウムで、著名な統計学者が「統計学は大人の学問である」と言っておられた。統計学は数学であると思われているが、統計は確率と密接に関連しているので、数学のように答えがはっきりと決まるわけではない。X%の確率で正しいというような議論になるので、多くの方が曖昧に感じるのだろう。統計を理解するにはその曖昧さを受け入れる必要があるので大人の学問である、と。

 実際に統計はさまざまな分野で活用されており、近年それが顕著になっている。社会人の方からも学生時代にもっと勉強しておけば良かったという話をよく聞く。ほとんどの学生にとって統計は専門として学ぶものではなく、データ分析の道具として活用するものであるので、学生時代にはあまり重要性を感じないのかもしれない。また、数学が苦手な人はそもそも敬遠してしまうのかもしれない。しかし学生だからこそ、短絡的に直接役に立ちそうなことばかりに目を奪われるのではなく、統計のような間接的に役立つことをしっかりと学んでほしい。そもそも、自分にとって何が役に立つのかを現段階で決めてしまうことは、自分の可能性を狭めるだけである。10年後の自分を見据え行動しよう。道具は使ってナンボである。今のうちに道具の使い方を学び、社会で役立ててほしい。(KT)