えび茶ゾーン

2014年10月27日

第926回

 数年前、アメリカにおいて、現代の小学生の65%は、現時点でいまだ生み出されていない仕事に就くことになるかもしれないという予測が述べられた新聞記事が注目を集めた。

 その見通しの正確さはともかく、確かに早稲田大学の教員の多くが学生だったころは、インターネットやスマートフォンに関する仕事はなかった。また、われわれが日々行っている研究や教育を含め、昔からあるさまざまな仕事も電子メールの登場やその他IT技術の進展によって、多分にその態様が変化してきている。

 こうした中、これから社会に出て行くにあたって、「何を学んでおけばよいか」といったことを話題にする向きもあるが、果たしてそういう「学んでおけばいい何か」というものが本当にあるのであろうか。

 言うまでもなく、新しいものの多くは既存のものや考え方の組み合わせから生み出されることが多い。学生の皆さんには安易に将来の得になりそうな「何か」を学ぼうとするのではなく、大学の中、例えば、講義や図書館、そして、われわれの頭の中にたくさんある(はずの)、将来にわたって新しいものを生み出すための「種」をたくさん自分の中に仕入れるということに注力してほしい。そして、われわれも、新しくものを生み出すプロセスと、できればその成功例をできる限り多く学生の皆さんに見せられるよう、その上で、学生の皆さんに種をたくさん持っていってもらえるよう頑張っていきたい。 (MW)