えび茶ゾーン

2014年12月8日

第932回

 私は大学院1年生の夏に、京都で行われた物理の研究会に参加した。この研究会では「素粒子理論の発展」というテーマに加えて「熱とは何か?」というテーマで議論が進んでいた。素粒子理論における熱の扱い方にはまだ謎が多く、ただでさえ暑い夏の京都で、まさに「ホット」な議論が繰り広げられていた。研究の内容だけでなく、その新しさや意義についても熱い議論が交わされており、まさに学問が生まれる場面を垣間見るような気分であった。

 この研究会もきっかけになって物理がますます面白くなり、大学院時代には物理の研究に没頭した。研究は、その内容はもちろんのこと、その背景や意義、インパクトなど、さまざまな側面から評価される。それまでに経験したいろいろなことが、研究を理解し推し進めるために使われることもある。さまざまな研究者とのコミュニケーション能力も求められる。そのような意味で、研究のプロセスで人は成長するのだと感じた。

 私は本庄高等学院の教員である。高校での教育で心掛けているのも、やはり人の成長である。授業においては、内容を伝えるだけでなく、先人の知恵に触れ、それによって感動し、希望を持てるようなものにしたい。それが成長につながると思うのだ。

 今年も寒い冬が近づいている中、時折京都の夏を思い出しながら、若者の成長を助けるべく熱い毎日を送っている。(MM)