えび茶ゾーン

2015年1月12日

第934回

 筆者の授業では、授業開始時に必ず出席を取り、単位認定の要件としている。一方、授業中に寝ていても文句は言わない。頑張って早起きして来てみたけれど、授業が面白くないから眠くなる、と言われたら教員としては反論できないからである。「早起きは三文の徳」との文字どおり、早起きは生活リズム、ひいては健康を維持するのに極めて重要で、三文どころの価値ではないことは科学的・学術的に示されている。だから、授業はあえて1限を選び、午前9時からの授業に必ず間に合うよう、学生には早起きして来てもらう。

 研究室のスタートは、「ラッシュとぶつかる9時はかわいそう」との親心と、「ラッシュで体力を失うよりむしろゆったり通学して、余った体力を研究に使ってもらえないか」との下心から10時に設定した。すると、2年生まで1限に間に合っていた何割かの学生が、見事に10時に間に合わない。間に合わないのではない、間に合わせる気がないのである。一方、自己管理能力の高い諸君は、自宅と研究室の距離と無関係に、毎朝9時すぎから実験して成果を上げ、志望度の高い企業に早々と内定を獲得する。

 国際社会において、日本人はpunctualであるとの認識は、今でも維持されているのだろうか。時間に間に合わせるためには、それなりの準備と努力が必要であるが、一人が時間を守らないことで、大多数の他人が失う時間は大きい。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と、時間を守らないことがノーマルにならなければいいのだが。 (TO)