えび茶ゾーン

2015年4月13日

第936回

 

 あなたは自己主張と協調のいずれが大切だと思うだろうか。 2012年に NHKが中高生を対象に行った意識調査がある。結果の概要によると、自己主張せず、周りと協調する中高生が 6割を超えたという。

 

 

 さて、この調査は自己主張と協調とが相反するものだと前提している。けれども、それは本当だろうか。実は、そこに日本の人材育成に関わる問題があると思うのだ。

 

 調査に使われた質問文を見てみよう。それは望ましい生き方として、次の2つから 1つを選ぶというものだった。 1つ目が「他人がどう言おうと、自分がこうと思ったことは主張する」、2つ目が「無理に自分の考えをおし進めないで、多くの人の意見に合わせる」である。結果の概要では、前者が「自己主張」、後者が「協調」と表現された。

 

 一方、現実の集団であなたに求められるのは、次の5つである。すなわち、(1)自分の考えを述べる(主張)、(2)相手の考えを聞く(調査)、(3)目的に対する双方の長所と短所、新たな解法を議論する(分析)、(4)採用する案を決める(決断)、(5)決めた案を尊重する(実施)、だ。この一連の行為を協調と呼ぶはずである。

 

 つまり、主張は協調の一部なのだ。人に同調するだけでは能力がないし、相手の考えを聞かないのも困りものなのである。あなたには、大学の少人数ゼミを使って、ぜひこの一連のスキルを伸ばしてもらいたい。(O.N.)