とっておきの話

2012年11月8日

  • ▲世界エスペラント大会が開催されたハノイの風景。エスペラントののぼりが見える

  • ▲ハノイの大教会の前で

  • ▲ベトナムにはベトナムコーヒーが合う

エスペラントの話


人間科学学術院教授 

向後  千春(こうご ちはる)



 今年はエスペラントが発表されて125周年にあたります。エスペラントとは、ポーランドの眼科医ザメンホフが考案した人工的な国際共通語です。人工的に作られたとはいえ、それで会話をすることはもちろん、小説や詩の作品もあるし、雑誌も出ているし、エスペラントを母語とする人もいるくらい、現実に生きている言語です。エスペラントを外国語科目として教えている大学もけっこうあります。ちなみに、日本の代表機関である日本エスペラント協会は、早稲田キャンパスのすぐ近くにあります。

 私とエスペラントのつきあいは古くて、早稲田大学第一文学部在学中に、エスペラント研究会というサークルに入ったのが始まりです。そのとき、エスペラントを勉強して、ヨーロッパ各地のエスペランチスト(エスペラントのことを知り、使用する人のこと)の家に泊めてもらいました。それ以来、自分の母語を超えて、みんなが対等に、エスペラントという共通言語でコミュニケーションすることの素晴らしさに魅せられてきました。

 世界中のエスペランチストが集まる、世界エスペラント大会(Universala Kongreso de Esperanto)は毎年開催されています。2012年は、ベトナムのハノイで開かれました。アジアの国で世界大会が開かれるのはめったにないチャンスなので、7月末にベトナムに行ってきました。大きなホテルが大会の会場になっていて、そこではエスペランチストたちの世界が広がっている一方で、会場から外に出るとハノイのにぎやかな日常生活が繰り広げられています。その大きなギャップが楽しい日々でした。

 私自身はしばらく仕事が忙しくて、エスペラントから遠ざかっていたのですが、久しぶりに公平な言語でコミュニケーションすることの楽しさを思い出しました。これから、次の世代の人たちのために少しでもエスペラントを広めていくお手伝いをしたいなと思っているところです。